神田真澄の氣ままな話 in 明光武道 深雪館

明光武道 深雪館 道場主のブログ

運動と免疫 〜脳と運動、大腿筋の関係〜

今日は運動と免疫のお話です。

 

まずは、瞑想の記事同様にエビデンスがある話から紹介してから、氣の武道の観点からお話ししたいと思います。

 

以下、抜粋

 

「週3以上、合計時間150分」が目安 運動と認知症予防〈週刊朝日

 

西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。死ぬまでボケない「健脳」養生法を説く。今回のテーマは「運動と認知症予防」。

*   *   *
【ポイント】
(1)運動が認知症の発症のリスクを低下させる
(2)1週間に中程度の運動を150分間
(3)朝から晩までこまめに動くことが大切

 世界保健機関(WHO)などが推計して9月に発表した報告によると、2016年時点で18歳以上の世界の成人のうち、27.5%の14億人以上が運動不足なのだそうです。日本では35.5%に上るそうです。世界の平均より運動不足の人が多いんですね。最近、健康を気にしてランニングなどをしている人が増えているようですが、まだまだということでしょう。

 で、運動と認知症の関係ですが、長期かつ定期的な運動が認知症の発症のリスクを低下させることが明らかになっています。さらに認知症の進行を抑制する効果もあるらしいのです。

 運動は動脈硬化の危険因子を軽減しますから、動脈硬化などで起きる脳血管性の認知症予防に効果があることは想像できます。それだけでなく、アルツハイマー認知症についても、運動が脳の老化や神経変性を回復させる効果があるらしいと言われているのです。

 いつもながらですが、がんの予防と比較してみましょう。がんの予防のために適度な運動がよいというのは、世界的なコンセンサスです。12年に米国対がん協会が公表した「がんサバイバーのための栄養と運動のガイドライン」によると、こうなっています。

「成人の場合、1週間に中程度の運動を150分間、または、強度の運動を75分間(または両者の組み合わせ)を、できれば1週間を通して偏らないように行いましょう」

 この「1週間に中程度の運動を150分間」というのがポイントです。認知症の専門家が共同執筆している『認知症ハンドブック』(医学書院)にも、予防のためにウォーキング、ハイキング、水泳といった運動をあげたうえで、「これらの活動を週に3回以上行い、1週間の合計運動時間として150分以上を目標とすることが推奨される」という記述があります。

中程度の運動とは、早く歩くウォーキングなどで、強度の運動とは、かけ足やジャンプなどです。

 継続できる程度の力が筋肉にかかり続ける運動は、酸素を使って脂肪などを消費するので有酸素運動といいます。これに対して瞬間的に強い力を出すときには、グリコーゲンなどが酸素を使わずに分解されるので無酸素運動といいます。

 中程度の運動とは、有酸素運動が中心になる体の使い方ということになります。

 私自身は、特別にウォーキングなどをやっているわけではないのですが、仕事のときに回診から始まって、頻繁に病院の中を歩き回っています。エレベーターやエスカレーターは使いません。階段を早足で上ったり下りたりしています。

 自分の毎日の行動を見直してみれば、けっこう運動しているはずです。その運動量を増やす工夫もできるのではないでしょうか。部屋でゴロゴロしているのではなく、朝から晩までこまめに動くことが大切なのです。

 1週間150分、単純に動こうと思ったら苦痛です。ご自身が楽しんで運動できる方法をうまく考えてみてください。

AERA 2018年10月19日号

 

運動の脳への効果は以前、筑波大学の征矢教授の実験も有名です。

心拍数の低い運動と脳の関係、特に海馬への好影響の実験結果が確認されました。

海馬は大脳辺縁系にある認知力を司る大事なところです。アルツハイマーでも皆さんよくご存知でしょう。

この場合の心拍数の低い運動とは、心拍数が90〜100/分の運動、つまりウォーキングの少し早いくらいの程度です。

この心拍数の低い程度、中程度の運動が脳に直接的な刺激を与えると報告されています。

身体に負担をかけない程度の運動習慣は、心身にさまざまな好結果を齎してくれます。

 

拙著「立つだけ!医者いらずの太もも力」でも書きましたが、立つだけの運動もこの効果を高く期待できます。これは東洋武術の練習法から、武医同術の考えを基に養生的に実践することで、人間にとって一番大きい筋肉の一つである太ももを含む下半身を使って運動することにより、心拍数はそんなに上がらずとも血流量はマラソンランナーのそれに近い量が循環するという画期的なメソッドです。

上の実験からもわかるように、この運動メソッドは脳に直接的に刺激を与えることができるとされています。

 

理論はさておき、まずは自身で体感してみることです。

免疫学の世界的権威である安保博士も、免疫と運動についての重要さを何度も発信されてました。そのメカニズムは、下の講演でもお話した内容てす。

興味ある方、いろいろ体験会や講演会など開催してますので、まずは体感!参加してみてください。

 

今日はこの辺で。

 

写真は恒例のNPO法人薬害研究センターにての勉強会。テーマは氣と運動と免疫。皆、真剣!