神田真澄の氣ままな話 in 明光武道 深雪館

明光武道 深雪館 道場主のブログ

氣について2 〜瞑想から〜

前回の内海医師主催の薬害研究センターが発行している・本当の日本を取り戻す新聞に掲載された記事の続きです。

ご覧いただけてない方は是非どうぞ!

 

 

武道で行う「瞑想」は、
氣を直接鍛錬する方法の一つです。

では、瞑想とは?

瞑想とは一般的に
「瞑目して、心を静め無心に、または想いをめぐらせること」
と定義されています(Wiki)。
仏教の禅が発祥との説もありますが、
諸説多々存在しますので、
今回はそこに焦点は当てませんね。

現代では「マインドフルネス瞑想」
といわれるメソッドに特化した瞑想が
よく研究材料として実践されていますね。
今では大企業のアップルやグーグルなどでも
社員研修として取り入れられてるのは有名な話ですし、
実際に瞑想を実践して成果を収めた著名人も多く、
ティーブジョブスやビルゲイツ、マドンナをはじめ、
日本でもJALを再生させた稲盛和夫氏や
サッカー日本代表長谷部誠選手など。
世界的有名なバスケット選手のスーパースター
マイケルジョーダンや彼の所属チームが
レーニングプログラムとして「瞑想」を実践して
チームを優勝に導いた話も海外では話題になりました。

マインドフルネス瞑想は
もともとは「念」という意味で、
発祥はマサチューセッツ大学
ジョン・カバット・ジン博士が
慢性鈍痛患者や精神症の患者を対象に行った
マインドフルネスストレス低減法が
始まりと云われています。
瞑想することで、
痛みが軽減されることを実験によって実証し、
それが広まっていった背景があります。

東洋では古来より
武術と医術は根本は同じ理論という
「武医同術」の考えがあります。

武術のメソッドを
武術的に実践すれば強健な身体となり、
それを養生的に健康法として実践するならば
長寿の源ともなりという考え方です。
そのメソッドの中の重要な一つの分野
が「瞑想」・「禅」なのです。

瞑想の効果は、現在様々な研究機関
UCLAやエール大学、マサチューセッツ大学などはじめ世界の研究機関)
で実験が行われ、もう約半世紀も経っています。

1970年頃から
瞑想について本格的に研究が行われており、
エビデンスをもって
瞑想の身体への有効な効果を続々と発表しています。

何点か実験結果をピックアップしてみましょう。
(字数の関係上、結果のみを数点書きますね)

・瞑想を実践することで、ストレスホルモンの分泌を抑制できたこと。

・体温が一度上昇し、その結果免疫活動が盛んになること。

・心拍数が下がっていくが、それに反比例して循環血流量は増幅すること。

・高血圧の患者群が瞑想を実践することで血圧低下に繋がっていったこと(アメリカ心臓医学会)

・長寿遺伝子に関わるテロメアの老化を防ぐことで、アンチエイジングに繋がること。
テロメア:染色体の末端にキャップのように付いている構造体。染色体は細胞分裂するが、テトメアは細胞分裂せずにどんどんと短くなり、なくなると死んでしまうことから、命の回数券とも云われている。)

・2年瞑想を実践すると実践していない群を比べ5歳若返り、5年続けると10歳若返る結果が見られたこと(アメリアンチエイジング協会)

大脳辺縁系への直接的な刺激により直観力が強化されること。
(日々の経験より学習しハードディスクのように大脳新皮質においてデータ化された”既成概念”によって、直感的に浮かんだ発想も、その既成概念のデータによって自らその発想を捨ててしまう現代人に、ビジネス界で注目を浴びたのが瞑想。瞑想を実践することで、大脳新皮質ではなく、直接大脳辺縁系(本能を司る)を刺激し、直観力が強化される。)

・不安や強迫観念からポジティブな影響をもたらしたこと。
(瞑想を数分間実践するだけで、被験者の不安を約40%取り除くことができた。さらに脳スキャンでは思考と感情を司る”前帯状皮質”と不安を司る”腹内側前頭葉前部皮質”が、より活発になったことが明らかにされたこと。)

など、さまざまな方面で研究が行われています。
もちろん、このような実験結果は興味深いですし、
まだまだ未知の効果があると考えられます。

上のように「瞑想」の身体への“効果”は
エビデンスをもって証明されており、
海外を中心に実践者が増えているのも事実です。

ここでは、
上のような”効果”を求める「瞑想」ではなく、
最初にお話した「氣」の考えから
「瞑想」を考察したいと思います。

科学的に「瞑想」を解き明かす、
またエビデンスにより「瞑想」を知ることも
興味深く面白いですが、
本来古来から伝わる「瞑想」の核は
そこにあるのではないように思います。

もちろんそれらの効果も貴重ですし、
また付随もしてきますが、
元々はそれを目的として実践されていたのではなく
あくまでも自己を「内観」することに
重点を置いて実践されていたと思います。

少なくとも、我々の道場でお伝えする「瞑想」は
これからお話することに主眼を置いています。
 
「瞑想」の核は「自分を見つめ直す」ことなのです。

「冷静に今の自分を内観する」こと。
 
今の自分を一旦立ち止まって、
しっかりと見つめ内省し、そして正していく。
その過程を繰り返すことで養っていく
自分自身の”軸”を創っていくことが、
古来から云われる「肚を鍛える」ことなのです。

”自分軸”が定まってれば、
周辺で何が起ころうとも、
何をしようともビクともせず、
怖れもなくなります。
 
また、自身を見つめ直すことから、
自分を苦しめている”症状”から
改善できる可能性もあります。
これは東洋医学でいう
「心身一如」にも通ずること。

心の奥底にある”傷(トラウマなど)”は、
結局誰も治すことはできません。

薬でも外科手術でも、
またカウンセラーが心に手を入れて
治すことも不可能です。

それは唯一、自分自身で原因を探り、
すべてを理解して受け入れ、
癒し、正すしか方法はないのです。

その”傷”は、意識的に、
また無意識的に誰にでも存在します。

自分を見つめ直すことで、
その”傷”がなぜできたのか、
どうすればなくなるのか、
そのキーは自分自身が持っているし、
自分自身しか正解はわからなのです。

その原因を氣付かせてくれる、
解決へと手伝ってくれるのが「瞑想」です。

原因を受け入れ、正していく過程は
人によっては大変な作業です。
でもそれをコツコツと実践することで、
その”傷”は癒され、
それに呼応して身体の症状は消えていきます。
もちろん、肉体として身体の種々な要因
(悪食、運動不足、ストレスなどの生活習慣)
が重なって症状は発症しますが、
その主因の一つは
心にあるといっても過言ではないでしょう。

まだまだお話ししたいことはたくさんありますが、
それは次の機会にお話しできればと思います。

最後に私が一番伝えたいのは、
明光武道では「瞑想」とは”肚の教育”、
つまり「丹田(臍下丹田)」を
直接練る氣の鍛錬であるということです。

古神道でも古来より伝わる「鎮魂」は
”御霊鎮めの御技”として、
「瞑想」に近い形であります。
瞑想は古来より、
例えば「礼拝」という形で
大自然と人とを結ぶ時間だったのではと考察しています。

そうして、大自然の氣、
エネルギーと自分が繋がることで、
自身の力(氣)を根本的に高めていくことで、
様々な事象が可能になっていくのではと考えています。

これからの世の中の考え方は
目に見えない世界へ移行していくと考える一説があります。

これは幼い頃によく耳にした
「かごめかごめ」の歌の謎にも存在します。

かごめかごめ 
籠の中の鳥は 
いついつ出やる 
夜明けの晩に 
鶴と亀がすーべった 
後ろの正面だあれ。

(字数の関係上、解説しませんのでご自身で調べてみてください。面白いですよ。)

スサノオを指す後ろの正面。
出雲大社の本殿の後ろに高く聳える八雲山。
そもそも出雲大社はご祭神が大国主大神ではなく、
神素戔嗚大神であったのはご存知でしょうか。

実際に鎌倉時代から
江戸時代にかけては祀られていましたし、
現在でも本殿では
大国主は正面には祀られていません。

この歌にはいろいろな謎が隠されています。

諸説ありますが。
目に見える物質主義、
お金至上主義の考えから人類は脱却していき、
目に見えないけども大切なもの、
見たことがなくても存在する世界を感じ、
自然と共生する世界を目指していくべきであると、
この歌は伝えているとの一説もあります。

氣の考えは、
我々の今後の未来を導く大事なキーになると確信します。


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どうでしたか?

氣について、瞑想について

古の日本の氣の考え、そして東洋のメソッドが

少し垣間見れてましたら、何よりです。

また次回は、第2稿を載せますね。

 

今日はこの辺で。

 


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写真は瞑想セミナーで、椅子式瞑想の実践中。