神田真澄の氣ままな話 in 明光武道 深雪館

明光武道 深雪館 道場主のブログ

日本拳法回顧録10 〜三段戦の結末は❗️〜

久しぶりに日本拳法の話を。

 

今回は、前回の続きで三段戦の結果を話しましょう。

三段戦の試合で、最後の一人を抜くかどうかで

三段取得できるかどうかが決定します。

既に二人連続で勝ち抜いてるので、さすがに疲労してますが、アドレナリンよろしく自分を奮い立たせて最後の三人目を迎えます。

相手は社会人のゴッツイ系の選手でした。

 

いざ、試合開始。

蹲踞から拳を床に置く儀式から、立ち上がろうとすると、下半身が笑ってます。

ん?疲れてる?あかん、囚われたらあかん!

とにかく今日勝つぞ!と、心に強く想い試合に臨みました。

三段戦くらいのレベルになると、だいたい相手と見合わせて立った時点で、勝てるとか、噛み合うとかの直感的なものを感じます。

その時、私は勝つと確信できる何かを感じました。だからこそ、慢心せず油断せず確実に大事に進めようと心を締め直しました。これは今でも覚えてます。

その功もあつてか、完全に自分のペースで試合を進めれて、自分の得意技である相手を誘って打たせて、それを捌きながら同時に、降ろし氣味のカウンターを打ち込み、突き面一本を先取しました。

見事なカウンターの突きだったと今でも自画自賛してます。笑

そうすると頭に三段取得できるという欲がよぎります笑。これが、試合勘を鈍らせます。

決め手なく、二本目がなかなか決しないまま、時間が過ぎていきます。試合時間残り30秒となると、あと少し!という審判団の掛け声の合図が入ります。

そこで、思わず守りに入ろうとした自分と、最後に一本決めたろうとする自分が葛藤しながら、試合を続けます。戦いって、こんなことを瞬時に考えながら闘ってます。最後は、自分との闘いなんです。

なにせ、ここで氣を赦して一本取られると、試合は引き分けとなり、三段取得は水の泡となります。

そんな心の闘いのなか、相手も負けじと必死に攻めてくるのを、試合の流れを術のごとく進めながら、とにかく悔いのないよう試合を支配しました。その結果、時間切れとなり、最終的に私は1-0で優勢勝ちとなりました。

 

そう!見事三段戦を三人連続勝ち抜いて、三段免除を取得したのです!しかも、当時は前人未到の記録となる、高校生でわずか17歳と5ヶ月ちょいの(私は早生れなので)少年が三段を取得したのです!

今でも、ようやったなと思います。受験シーズン真っ只中にね笑。勉強せ〜よ笑。ま、昔からアウトサイダー的やったんでね笑。

しかも、高校生では三段取得したのは、その年は私と、かつて戦った兼平選手の2人だけ。

そう、彼には龍峰杯で勝っていた私は、実質高校日本一の座につけたのです。全国大会のリベンジを実質的に果たした私は、そこでやっと高校拳法時代に悔いなく納得して、改めて受験勉強に励むため、しばらく拳法活動を控えだしたのでした。

 

ちなみに、この結果を試合場で見た大阪市立大学 日本拳法部の当時監督D教授から、所属道場の近藤寿一師範を通して、試合場で直接推薦スカウトされたのを始め、後には同志社大立命館大など有名大含む約十カ所ほどの大学から推薦入学のオファーを受けました。その時、隣にいた試合前で緊張してた親友の笹川も、さすがに笑ってました。北野高校にいたこともあったと思いますが、光栄でしたし、誇らしかったですね。

 

実は、これには番外編があって

甘酸っぱい青春ストーリーが付いてます。

それはまたの機会に笑。

 

今日はこの辺で。

 

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これは月刊秘伝に、私の特集のときに掲載されたもので、まさしく三段戦の試合中の写真です。当時、この写真を見た親友の笹川が獲物を狙う獣のような目しとんな〜とよく揶揄されたものでした笑。